実家が空き家になったら・・・

 持ち家で暮らしていた親が老人ホームに入所したり、亡くなったりすると、だれも住まない空き家をどうするかという問題が出てきます。売却や賃貸が選択肢になりますが、税金が増えたり、逆に節税になったりする場合もあります。資産価値を維持するため空き家の管理も欠かせません。空き家対策の基本と注意点をまとめてみました。

 

「お隣さんから電話があってビックリしました。月1回くらいは通っていたのですが……」。A子さんは、一人暮らしだった父親が老人ホームに入り、空き家になった実家にスズメバチが巣をつくり専門業者に駆除してもらいました。

これを契機に管理をどうするか考えるようになったようです。近年は、多くの会社がこの空き家管理の分野に進出しサービスもきめ細かくなってきています。大手の警備会社や不動産会社でもセンサーを使った侵入防止のシステムや、リフォーム関連のノウハウを活かした管理体制で充実さを増してきています。これまでは、地元の不動産業者がその多くを手掛けてきましたが、管理すべき人が遠方だったりすることが多くなり、大手企業に依頼するケースが増えてきています。また、空き家の家財を片付けたり、遺品整理を取り扱うサービスもあります。

                  売却は・・・ 3年以内に判断

近隣の方々に迷惑を掛けずに空き家状態を解消するには、具体的なアクションを起こさなければなりません。相続前に親が空き家を売却したいと考えるならば、親が住まなくなってから3年目の年末が一つの節目になります。居住用の住宅(マイホーム)を売った譲渡所得は3000万円まで税金がかからないが、この期間を過ぎると“居住用”と認められず課税されてしまいます。長期譲渡(所有期間が5年超)であれば、譲渡

所得の税率は約20%ですから、3000万円で売却したとすれば、600万円の課税となり“ゼロ”か“600万円”ということを考えればこのポイントは大きいということになります。また、いくらで買ったか分らない先祖代々の土地や建物は“売買価格の5%”を取得価格とすることになっていますので、親が購入したということが分っている場合は、予め空き家の土地建物の取得費を確認しておくことをお勧めします。さらに、建物を取り壊し更地で売却する場合は、取り壊してから“1年以内”に売買契約を結べば前記と同様の扱いになります。また、その土地や建物の価格査定をしてみるのも、どのくらいの価値があるかによって方針を決める参考になると思います。

                 賃貸は・・・ 相続時の節税に

 「貸家にすれば相続税の節税になるし、いずれは自分で住んでもいい・・・」とお考えの方でしたら、取り敢えず貸家に出来ないかを検討されるのも良いでしょう。定期借家契約で契約すれば、将来のUターンも可能になります。

また、入居実績がある、現に入居者を募集しているなど貸家としての実態があれば、相続税を計算する際の評価額が下がります。土地の評価を15%、建物の評価を30%それぞれ下げられるうえ、200㎡(約60坪)までの土地は一定の条件を満たすと、さらに50%減額できる特例があります。

「将来は自分が住んでもよい」という人は、兄弟姉妹と相続して貸家にしておけば、2015年の相続税の基礎控除(5000万円→3000万円)が縮小されても相続税はかからないことになります。

ただ注意しなければならないポイントは、貸家にする場合は屋根や外壁、水回りの設備、内装のリフォームなどそれなりの初期投資が必要となります。また、その後の修繕も負担することになります。固定資産税などもかかりますので、実質の収入は期待したようになるかどうかは個々の建物の状態によります。国土交通省でも、「借主負担DIY型」など新しく賃貸借契約方法ガイドライン(下記「DIY型」参照)を提案しています。

現実的には、自分は戻っていずれ住もうと考えても、配偶者ことや子供の学校のことなどを考えると戻るに戻れないケースも多いようです。

空き家をお持ちの方や、空き家になりそうな親の家があるとすれば、売却するか、賃貸住宅として転用するのか、家族のだれが住むのか機会をとらえて話し合うことも大切なことではないでしょうか。

 

「DIY型」賃貸、国交省が指針

戸建の空き家を貸す場合、修繕に数百万円かかることがあります。所有者は「お金を掛けて貸すより、空き家にしていた方がいい」と考えがちですが、これが空き家の増加の原因になっているとして、国交省は「借り主負担DIY型」の賃貸借契約のガイドラインを公表いたしました。

借り主が自己負担で修繕したり、設備を入れ替えたりすれば安い家賃で借りることが出来るという内容になっています。退去時の原状回復義務が無く、所有者も初期投資なしで賃貸できることがメリットとなっています。貸主・借主の両者のニーズを考えたものです。

※ 日本経済新聞「マネー計画」平成26年7月2日版より引用・抜粋

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  2014.8.1